こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
2ヶ月近くにわたって更新が途絶えていた当ブログですが、実はドイツ語検定(以下 : 独検)2級の勉強をしていました。
結果は合格。合格ライン60点ほどに対して得点が64点だったため、かなりギリギリでした。まあ仕事が忙しかったのでご愛嬌ということで(汗)
この独検2級、実は2016年夏に一度不合格で終わってしまっていたのでリベンジ合格となります。
それから4年越しの再挑戦だったわけですが、実は「よし、久しぶりに勉強して受けるか!」と思い立ったのは本番の2ヶ月前でした。
というわけで今回は、数年のブランクから2ヶ月で合格するまでに実践したことを書いていきます。
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管理人のドイツ語歴
- 2015年10月 : 高校3年の部活引退後ヒマだったので、「かっこいいから」という理由だけでドイツ語を始める。
- 2015年12月 : 独検5級に合格。
- 2016年6月 : 4級と3級を併願し合格。
- 2016年12月 : 2級を受けるもズタボロで不合格。
- 2016年12月〜2020年9月 : ほとんどドイツ語に触れず。
- 2020年10月 : いきなりリベンジしたくなり、仕事の合間に勉強を始める。
- 2020年12月 : 2級に合格。
ドイツ語歴5年とか言ってはいたものの、なんだかんだで日常的に勉強した期間で言えば1年半あるかないか。
学び始めたのは「発音を聞いた感じがかっこいいから」というのが理由でした。
単語も例外ではなく、英語の「Pen」が「Kugelschreiber(クーゲルシュライバー)」、「Hunter(ハンター)」が「Jäger(イェーガー)」などなど、厨二心をくすぐるものばかり。
そんなかっこいい言語を少しでも扱うことができたらと思い、資格をモチベーションに勉強して今に至ります。
独検2級の概要
念のため、手始めに独検2級の概要を掲載しておきます。
- ドイツ語の文法や語彙についての十分な知識を前提に,日常生活に必要な会話や社会生活で出会う文章が理解できる。
- やや長めの文章の主旨を理解し,内容についての質問に答えることができる。
具体的・抽象的なテーマについてのインタビューや短い記事の内容を聞き取ることができる。
短いドイツ語の文を正しく書くことができる。 - 対象は,ドイツ語の授業を約180時間(90分授業で120回)以上受講しているか,これと同じ程度の学習経験のある人。
- 語彙3000語
独検ホームページ「各級のレベルと内容」より
一見そこそこの難関資格のような感じがしますが、これらの項目全てを完璧に満たしていないと合格できないわけではありません。
少なくとも管理人は「日常生活に必要な会話や社会生活で出会う文章が理解できる」なんて自信は合格後も無いです。満たしているのは多分勉強時間ぐらい。
2級合格までにやったこと
さて、今回のメインテーマは「独検2級合格までにやったこと」です。
60点で足切りされるところを65点でなんとか合格した身なので、あまりノウハウを語ることができる身分ではないですが…少しでも誰かの参考になってくれることを祈りつつ書いていきます。
複数の参考書を使う
そもそもどの級でもまず必要なのは、文法を知ることでしょう。
そうなると「参考書一つで十分じゃない?」という気もしなくはないですが、個人的には複数冊の参考書の利用をおすすめします。
参考書ごとに特徴が異なるからです。「同じ教科でも、先生が違えば教え方も違ってくる」みたいな。
解説が少なめな参考書もあれば、慣用句を問う問題が多めな参考書もあり、よく言えば多種多様です。
しかしその中の一冊だけに頼っていては、本番で問題を広くカバーする力が付きにくいと思います。
さらには、個人個人とその参考書の相性もあるでしょう。2色刷がいいとか、練習問題が多くないと困るとか。
管理人の場合は4冊の参考書を使いましたが、やはり広い範囲で満遍なく取り組めたと思います。
マインドマップで語彙力をつける
文法規則だけマスターしても、語彙力が無ければ意味がありません。
本来なら愚直に単語を覚えていくのが一番ですが、マインドマップのように書いて覚えていくという勉強法が効果的です。
例えば「sprechen(話す)」という単語であれば、「接頭辞+sprechen(不定形)」で覚えていきます。
これを実践するには、まず「接頭辞をしっかりと覚える」ことがとにかく重要です。
接頭辞といえば、aus(〜から)やgegen(〜に向かって、〜に対して)、nach(〜の後で)などなど。
なぜ重要なのかというと、これらを覚えてしまえば動詞の不定形との組み合わせで意味を推測することができるようになるからです。
よく使われる接頭辞aus(〜から)を例にしてみましょう。
ausはある場所から来たという「原点」を示す場合や、中(内側)から外側への「移動」を示す場合などに使われます。
sprechen(話す)やgehen(行く)に、このausをくっつけるとどうなるでしょうか。
答えはaussprechen(外へ話す=発音する)、ausgehen(外へ行く=外出する)になります。
単語の元の形を軸にマインドマップとしてまとめることで、このように効率良く単語を覚えていくことができるわけです。
普段から難しいドイツ語に触れる
独検2級もご多聞に漏れずリスニングがありますが、もちろんこちらの対策も必要ですね。
リスニングもまた大切な要素になりますが、管理人は参考書のリスニングにはほとんど取り組みませんでした。
本番前日に付録のCDを小一時間聴き、過去問を2回分解いた程度です。
それでは不十分なように思えますが、普段から難しめのドイツ語を聴くことで代替がきいていました。
難しめなドイツ語とは、連邦議会の演説や答弁、政党のPR動画、ニュース番組の討論などです。
こういった動画のドイツ語を聴くことで、基礎的な単語だけでなく「Wahlkampf(選挙戦)」や「Parteivorsitzender(党首)」、「Souveränität(主権)」などなど、バリバリ上級レベルの単語も覚えることができました。
おかげで難解なレベルのドイツ語に多少の免疫ができ、それよりかは易しい(であろう)独検2級のリスニングの壁も越えられたんだと感じています。
追記(2022年12月7日更新)
その後も難しい単語をあえて覚えるこの勉強法を続けましたが、やはり効果的だと思いました。
特に難しくて長い単語は日本語と同じように、複数の単語を組み合わせてできていることがほとんどです。
そういった単語を覚えれば、本来のそれぞれの単語+組み合わさった単語の正しい意味を同時に覚えることができるため、効率の良さとちょっとしたお得感が感じられます。
「Wahlkampf(選挙戦)」は「Wahl(選挙)」+「Kampf(戦い)」
「Arbeiterunfallverscherungsgesetz(労働者災害補償法)」は「Arbeiter(労働者)」+「unfall(事故・災害)」+「versicherung(補償・保険)」+「gesetz(法律)」
などなど、構成している単語が2つや3つ、時にはそれ以上ものもあります。
ドイツ語検定や一般的なニュースでは滅多に見かけなかったものの、先述の通り個人的には効率よく語彙力が付けられるので、こういった単語にも触れてみるのがおすすめです。
余談ですが、ドイツ語には世界一長い単語としてギネス記録に認定されたものもあります。
「Donaudampfschiffahrtselektrizitätenhaupt
betriebswerkbauunterbeamtengesellschaft」
…「ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合」という、ネイティブでも一生使わないような単語です。
長文対策もリスニングと同様に
独検2級は3級と比べて長文問題が増え、こちらの対策も必要になります。
ここでもあえて日頃からニュースを中心に目を通すという、先程のリスニングと同じ方法で取り組みました。
特に長文問題は政治や社会などのジャンルの話題が取り上げられることが少なくないため、覚えた単語を直接活かすという点でとても有効です。
具体的な内容としては、①ドイツのメディアであるZDF HeuteやSWR Akutuellなどで気になったニュースを見つけ、②ノートに原文と訳文を書き、③わからない単語や言い回しはその都度調べるという流れになります。
こうして大意を理解できるようにしておくことで、時間を多く取られがちな長文にも対応しやすくなるはずです。
また、長文問題は自ずと文法や単語を復習できるため、闇雲にそれらをピンポイントで練習するより効率が良いというのも理由と言えます。
以下に管理人が利用したニュースサイトのリンクを貼っておくので、ぜひ活用してみてください。
追記(2022年12月7日更新)
上記の他にも、学習における有用性の高さに惹かれて利用していた「Die WELT(ディー・ヴェルト)」という大手メディアがありましたが、2022年サッカーワールドカップに関連して日本人に対する人種差別的な表現を放送したことから、本サイトでは同メディアについて当面推奨しません。
使った参考書
実際に使用した参考書について、それぞれ感想を書いていきます。
あくまでも管理人が使ってみての個人的な感想なので、実際に書店で手に取ってみるなどして選ぶといいでしょう。
独検合格4週間 2級
独検界隈では使っていない人の方が少ないと言っても過言ではないほどの圧倒的な人気を持つ一冊です。
黒と水色の2色刷りで、1ページあたりの文字数も少なめなので読みやすさ抜群。
必ず一単元(1日分)の冒頭に例題が2問ほど掲載されており、①それに対するざっくりとした解説→②詳しい解説→③練習問題(10問程度)という流れになっています。
この構成のおかげで、自分が着々と知識を得ている実感が湧くためモチベーションも維持できます。
独検2級合格講座 中級ドイツ語へのスキル・アップ
こちらも人気の参考書で、試験会場に行くと読んでいる人をよく見かけます。
こちらは、長文問題と会話表現の解説がとても丁寧なように感じました。
特に長文は一文ごとの解説がしっかりしているので、わからないまま消化不良で終わる心配がないです。
また、巻末では熟語や前置詞をじっくり学べるようになっているので、2級で苦手になりがちな分野にも対応できます。
独検対策2級新問題集
実際に出題された過去問と、それに基づく練習問題が充実した一冊です。
加えて、こちらも巻末に出題されやすい動詞と前置詞の組み合わせが沢山掲載されてるので、対策に活用できます。
文法などの解説も当然しっかりしていますが、一問ごとの解説がかなり長めになっているのがこの参考書の特徴です。
(他の参考書とほぼ同じ厚さなので)1ページごとの文字数が多く、値段に対して得られる情報も比例して多いと言えますが、個人的にはもう少しあっさりした構成でもいいかなと思いました。
2級を一通り学んだ後、もっと実力を付けようという場合に良いでしょう。
独検合格らくらく30日 2級
一単元(1日分)ごとの情報量が少なめではありますが、範囲で見ると網羅的にカバーできているように感じた一冊です。
大きな特徴は、掲載されている問題の難易度が高めなところでしょうか。
他の参考書の問題では高い得点率を維持できていても、この参考書の問題では不正解の連続だったりします。
2級の受験に自信が付いてきたタイミングで、それをより確かなものにしたい場合に最適です。
まとめ
独検2級の合格率は例年40〜50%ほどで、当然士業の国家資格レベルで難しいというわけではありません。
だからと言って、ゼロから初めて数ヶ月で1発合格が見えてくるほど簡単でもないです。
なので、2回の受験を通して「語彙力とそれを正しく応用する力を着実につけていくことがとにかく重要になってくる」と感じました。
そこをもっと伸ばして、準1級を目指したいなと思っています。
というわけで、2、3問間違っていれば不合格だったかもしれない管理人の独検2級合格体験記でした。
自分で良ければ質問や相談にも答えるので、いつでも当サイトのお問い合わせフォームからどうぞ。